現存する唯一の「禁酒法酒場」~実はコロナで閉店していた…!

こんばんは。ドン・ララです。

1920年代、アメリカで施行された『禁酒法』について、前回記事にて詳しく取り上ました。

今回は、そんな禁酒法時代に流行したもぐり酒場『スピークイージー』についてお話ししていきます。

「スピークイージー」の誕生

まず、『スピークイージー』について、前回記事にまだ目を通していない方のために軽くおさらいしておきましょう。

1920年1月に「禁酒法」が施行されると、アメリカ国内ではお酒を売ったり買ったりすることが出来なくなりました。
「お酒を所持すること」自体は法律では禁止されていなかったため、国民は禁酒法施行前に貯め込んだお酒を、自宅でチビチビ飲んで暮らすことになりました。

一方で、「法律上、お店でお酒を売れなくなった」酒場は閉店を余儀なくされ、窮地に立たされることに。

「このままだとお店が潰れてしまう。どうしよう」

そこで、法の目をかいくぐって「一見ソフトドリンクに見えるお酒」や、隠れてウイスキーなどの密造酒を提供する『スピークイージー』が誕生しました。

家で飲むのに飽き飽きしていた人たちは、この『スピークイージー』に殺到し、あっという間に大流行しました。

現代のバーで見かける美しいカクテルも、実はこの『スピークイージー』が発祥と言われています。

「スピークイージー」とは?

法的にアウトな『スピークイージー』は、看板を出さずにひっそり営業していたそうです。

入店する際には、目印のないドアを恐る恐るノックし、応答したドアマンに「合言葉」を伝える必要がありました。それをヒソヒソ言う様子が『speak eazy』と言われ語源になったという説もあります。

お店の存在が人から人へ口コミで伝わり、知っている人だけが入れる『スピークイージー』の形態は、現代では「ツウが通う店」として有名な「隠れ家バー」に受け継がれていますね。

そんな隠れ酒場『スピークイージー』は大体が地下にあり、ひっそりと営業されていたために店内も暗く狭く、「大きなテーブルで優雅にお酒を飲む」というよりも、小さなテーブルでワイン片手におつまみを食べながら楽しむお店だったそうです。今ではパーティーに外せない『フィンガーフード』も、このときに生まれました。

NYに実在する唯一の『スピークイージー』

そんな『スピークイージー』も、1933年12月に「禁酒法」が廃止されると、徐々に街中から姿を消して行きました。

そんな中で、禁酒法時代の名残をそのまま残して営業されているお店がNY(ニューヨーク)にありました。

ありました、というのは、今現在はもうないからです。

『The 21 Club』という名のその酒場は、現存する唯一の『スピークイージー』でしたが、残念ながらコロナ禍の経営難で閉店してしまったそうです。

1933年に移転した「The 21 Club」- 公式HPより

『The 21 Club』では、禁酒法時代に使われていた店内で食事をしたり、何度警察によって立ち入り検査をされても見つからなかった厨房にある隠し扉と、そこに続く「ワインセラー」を見学することもでき、当時の大統領や誰もが知る大女優のキープボトルもそのまま残されていたようです。

店内のようす -「The 21 Club」公式HPより
秘密のワインセラー -「The 21 Club」公式HPより

営業当時の見学や説明のようすが、こちらのYouTubeにアップされています。
説明や会話は英語になりますが、お店の中の雰囲気やワインセラーのようすなど、動画の中でじっくり見られるので是非一度見てみてください。

お食事もなかなか美味しそうです。

『The 21 Club』が閉店したのち、お店の権利はLVMH社 ベルナール・アルノーによって買い取られ復興する予定でしたが、それらもすべて白紙に戻り、今では宙に浮いている状態のようです。

ただ、今現在でも公式HPは残されており、いつの日か復活してくれることを期待しましょう。

『スピークイージー』がもたらした恩恵

余談ですが。
隠れ家バー、カクテル、フィンガーフードだけでなく、『スピークイージー』が現代にもたらした恩恵はほかにもありました。

それは、「男女ともにお酒を飲み語る文化」を定着させてくれたことです。

実は、「禁酒法」施行前は、酒場といえば主に大きなテーブルで優雅にお酒を楽しむ『サルーン』が主流で、『サルーン』に入れるのは男性だけ、というのが普通でした。

『スピークイージー』が登場するまでは、酒場に行けるのは「男性ONLY」で、「男女が一緒になって飲む」というのは一般的ではなかったそうです。

それが「禁酒法」時代以降、男性も女性も気軽に「一緒にお酒を楽しめる」世の中になったのは大きな革命でした。

エオルゼアの「スピークイージー」

さてさて。そんな『スピークイージー』を、エオルゼアでもお楽しみいただけます。

当時の狭い店内の姿を模しつつ、特別な場に相応しい『VIPルーム』も御用意しております。

もちろん、紳士・淑女ご一緒の御来店も喜んで歓迎いたします。
ドレスコード等は御座いませんので、フィンガーフードとワイン、蒸留酒、ビールなどをお楽しみくださいませ。

秘密の「合言葉」は、下記よりお問合せくださいませ。

(※ 御訪問は御予約制です。 こちら より承っております。※ 酒場の営業時間は不定期です。

関連記事

また、こちらの記事は下記のサイトを参考に執筆されています。

参考サイト①:https://blog.sapporobeer.jp/knowledge/11449/(サッポロビール)
参考サイト②:https://www.countrygentleman.co/post/the21club-vintage-history(カントリージェントルメン)

Written by

Don Lara(BB Family Boss)
2017年に「BBファミリー」を設立。2023年に現在の形態を取り本格始動。以来、カポレジーム筆頭とするメンバー数名と「オメルタ」の下に細々とエオルゼアにて活動中。その他、タムリエル・ロスサントスにも拠点を置く。

どうぞ、ごゆっくりと御覧下さい。

“現存する唯一の「禁酒法酒場」~実はコロナで閉店していた…!” への1件のコメント

  1. […] かつてニューヨークに、1920年代より米国で唯一現存していた「21 Club」があったのですが、新型コロナウイルス流行の影響を諸に受け、2020年に閉業されてしまいました。こちらでは大統領や大女優たちのキープボトル(ワイン)や、当時の隠し部屋等もそのまま残されていました。(『The 21 Club』とスピークイージーの記事はこちら) […]

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